げっけいじゅ (月桂樹) 

学名  Laurus nobilis
日本名  ゲッケイジュ
科名(日本名)  クスノキ科
  日本語別名  ローレル、ローリエ
漢名  月桂(ゲツケイ,yuèguì)
科名(漢名)  樟(ショウ,zhāng)科
  漢語別名  香葉
英名  Bay tree, Sweetbay, Victor's laurel
2006/01/15 薬用植物園
2024/02/10 同上 

雄株、雄花   2008/04/15 小石川植物園
雄蕊   2024/04/19 薬用植物園 
雌株、雌花   2007/04/12 明治薬科大学薬草園
2023/07/06 植物多様性センター 

 ゲッケイジュ属 Laurus(月桂 yuèguì 屬) には、2種がある。

   ゲッケイジュ L. nobilis(月桂)
   L. azorica
アゾレス諸島産 
 クスノキ科 Lauraceae(樟 zhāng 科)については、クスノキ科を見よ。
 漢名の桂(ケイ,guì)、月桂(ゲッケイ,yuèguì)の由来について、中国で桂と呼ばれた植物を見よ。
 英名ローレル laurel・仏名ロリエ laurier・独語 Lorbeer は、ラテン語の laurus から。学名、同。
 地中海北部沿岸地方(トルコ・ギリシア・イタリア)に分布。シネオールなどの油を含み、芳香を持つ。
 中国では主に華中で栽培されている。
 日本には明治38年(1905)ころフランスから、ハーブとして導入された。
 明治39年
(1906)日露戦争戦勝記念樹として、東郷・上村両大将により日比谷公園に植えられ、有名になった。
 葉・果実から芳香油を採り、食品や石鹸の香りづけに用い、また工業用にする。
 葉はベイリーフ bay leaf と呼び、生のまま あるいは乾燥して、香辛料・香味料として用いる。実は、月桂実と呼び、薬用にする。
 ギリシアのオウィディウス Ovidius(43B.C.-17A.D.)『転身物語 Metamorphoses』によれば、テッサリア河神ペネイオスの娘ダフネ Daphne は、アポロン Apollon に恋慕されたがこれを拒み、追いつめられて月桂樹に変身して身を護ったとされる。これよりゲッケイジュはアポロンの聖木となり、ダフネはこのゲッケイジュの名となった。
 ギリシア・ローマでは、体操や詩の競技の勝利者に、月桂冠 laurel wreath
(ゲッケイジュの枝葉を編んで作った花輪、花冠) が授けられた。ヨーロッパでも、第一級の詩人たちは「ゲッケイジュの冠を戴く者」と考えられたが、イギリスでは17世紀から桂冠詩人 poet laureate が制度化された。

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